人間は、生きている限り悩みが尽きることはありません。悩みといっても、「お金がない」「嫁姑の関係がうまくいかない」「上司とそりが合わない」「夫婦関係が冷め切ってい る」などなど、人によって千差万别です。人の数だけ悩みは存在します。

私がこれまでずっとお伝えしてきた「気づき」というものは、こうした悩みを解决支えるものなのですが、気づくことだけでは足りなく、直していかなければいけません。

悩みを解決するために、気づいて直す。では、何を直すのでしょうか。

それは、性格の欠点です。つまり、「仕すがうまくいかない」とか、「嫁姑問題が大変」とか、そういったことは表面的に浮き上がって来た結果であって、じゃあ、なぜそうなってしまったのか。問題を引き起こす根源となったものはなんなのか。と考えると、自分の性格の欠点に行き着くのです。ここを考えずに、表面的な問題だけを解決したとしても、根源が解決できていないので、将来、今度は違った問題が勃発する、ということにもなるのです。

「なぜそのような性格になってしまったのか」という原因は、過去から背負ってきたカルマであったり、生まれ育った環境の中で背負ったトラウマだったりしますートラウマを乘り越えるというのは、過去の体験によってでき上がった性格の欠点を自分で受け止 め、直していくことです。このように言葉でいうのは簡単ですが、実際に自分の欠点を 直すというのはそう簡単にはいきません。

「アルバイト」は本来ドイツ語で「仕事」という意味ですが、日本では40年ほど前から、学生の副業の意味で使っています。現在、日本の大学生の90％以上がアルバイトを経験しています。そして、アルバイトで学校を休む学生も多くなっています。

「授業をサボってもアルバイトには行く」という大学生たちはどうして働いているのでしょう。あるアンケート調査で、大学生のアルバイトは、サービス、販売など第3次産業の仕事が多いです。そして、「どうしてアルバイトをするのか」という質問に対しては「海外旅行をしたいから」「車を買いたい」などの回答が多かったです。ほかにも、「貯金をして、留学の費用にするつもり」「学費は自分で稼ぎたいから」「社会勉強になるから」という回答もありましたが、極少数でした。この調査結果からわかることは、アルバイトの目的は遊ぶためと中心になっています。

しかし、大学生の中には真面目に仕事を頑張っている人もいます。1年生の時には遊び感覚だったとしても、数年間も勤めていると昇給したり、昇進したり、（   ア   ）責任のある仕事ができるようになります。高学年になって、就職活動をしなければならない人も多くなって、就職意識も高くなります。大学生の時から店長だったり、重要な仕事を担当していると、将来でもアピールできるので、積極的に仕事をしている人もいます。

遊びが目的の人でも、就職活動のためでもアルバイトをすることで、労働の尊敬さやお金をもらうことの大変さを体験できるのだから、大きな意味があります。しかし、アルバイトで授業をさぼってもいいという考え方は問題です。

私は学校で中学一年生の数学を担当することになった。

最初の週からすぐにわかったことは、生徒のなかには数学の概念を理解するのが非常に速い子が何人がいることだった。わたしが黒板で例題を解くのを見ただけで、「わかった一」と言って、次の問題をすぐに解いてしまうのだ。（ア）、それほど能力のない生徒はなかなか問題の型とそれに合った解き方がつかめずに苦労する。

ところが、最初の学期に成績評価を行ったところ、驚いたことに、能力の高い生徒たちの成績は思っていたほどよくなかった。もちろん、良い成績の生徒もいたが、クラスでも特に能力の高い生徒たちに限って、なぜか普通の成績だった。それとは逆に、最初はなかなか問題が解けずに苦労していた生徒たちの中には、予想以上に良い成績を取った生徒が何人もいた。このように良く伸びた生徒たちは、決まって欠席もせず、忘れ物もしなかった。授業中にノートをしっかりとって、よく質問をした。最初からすぐに問題を理解できなくても、諦めずに何度も挑戦した。そうやって（イ）ことが成績に表われたのだ。